RELOC「SCINTIX P4」、Raspberry Pi CM4/CM5の差し込み口で動くESP32-P4モジュール。Linuxではなく、ファームウェアで動く
イタリアのRELOCが、Espressif製のESP32-P4をRaspberry Pi CM4/CM5と同じ55×40mmの基板に載せた「SCINTIX P4」を公開した。CM4/CM5用のキャリアボードに挿して使えるが、動かすのはLinuxではなく、ESP-IDFなどで書いたファームウェアになる。
この記事にはアフィリエイト広告を含みます

イタリアのRELOCが、Espressif製のマイコン「ESP32-P4」を、Raspberry Pi CM4/CM5と同じ55×40mmの基板に載せたコンピュートモジュール「SCINTIX P4」を公開した。2026年11月3日時点で、価格と出荷日は発表されていない。
製品の扱いは、掲載時点でまだ流動的だ。 RELOCの製品ページには「Contact us for pricing」とある一方、同じページにはCrowd Supplyでの近日公開(プレローンチ)の案内もある。クラウドファンディングが始まるまでは、購入手段は問い合わせになる。
どんなモジュールか
見た目と端子はRaspberry Pi Compute Module 4のものだが、中身はまったく別の系統だ。LinuxGizmosとRELOCの資料による仕様は次のとおり。
- メイン: ESP32-P4NRW32X。最大400MHzのRISC-V 32ビットCPUが2コアで、AI向けの命令拡張と単精度の浮動小数点演算ユニットを持つ。別に最大40MHzの低消費電力コアがある
- メモリ: 32MBのPSRAMと32MBのNORフラッシュ
- 無線: 別チップのESP32-C6が担当する。2.4GHzのWi-Fi 6、Bluetooth 5 LE、Thread/Zigbee向けのIEEE 802.15.4
- 有線: 10/100MbpsのEthernet PHY。RELOCの試験では、UDPで上り約73Mbps、下り約79Mbps
- 画面・カメラ: 2レーンのMIPI-DSIとMIPI-CSI。H.264とJPEGのハードウェアコーデックを持つ
- USB: 電源とプログラミング用のUSB Type-Cを基板に搭載。USB 2.0 OTGの信号はキャリアボードへ出す
- 大きさ: 55×40×5mm、プログラミング用コネクタを含めて約8mm。重さ8.2g。動作温度は-20〜70℃
- 電源: CM4/CM5のコネクタからの5V、またはUSB Type-C
何が面白いのか
Raspberry Pi CM4/CM5用に作られた入出力ボードやディスプレイ付きボードを、そのまま試作の土台に使える点だ。ただしCM4/CM5の中身はArm CPUでLinuxが動くのに対し、ESP32-P4はLinuxを動かさない。ベアメタルかRTOSでファームウェアを書く。RELOCはESP-IDF 6.0.1の手順と、USB書き込み、Ethernet、Wi-Fiのサンプルを公開している。
互換にも限りがある。ESP32-P4にはHDMIやPCIeがないため、それらに頼るキャリアボードの機能は使えない。CNX Softwareは、標準の40ピンヘッダ側のI2Cの割り当ても、ESP32-P4の別のGPIOで読み替える必要があると伝えている。RELOCが互換を記載しているのは、公式のCM4/CM5 IOボードのほか、CM4-DUAL-ETH-MINI、一部のWaveshare製ボードなどだ。
価格と注意点
- 価格: 未発表。RELOCは問い合わせを案内している
- 注意: Raspberry Piの感覚で買うと、Linuxが動かず、HDMIも使えない。画面を使うならMIPI-DSIのパネルをキャリアボードで接続する形になる
- 注意: 回路図、部品表、ピン配置図、機構モデル、KiCadライブラリは「公開予定」とされ、掲載時点でそろってはいない。ファームウェアのサンプルはGitHubにある
日本で買える?使える?
日本の販売元は、掲載時点で確認できていない。 日本語で製品名を調べた範囲では、国内の紹介記事も見つからなかった。
- 入手: RELOCは製品ページで問い合わせを案内している。Crowd Supplyでの募集が始まれば、そこから買うことになる見込みだが、日本への発送は発表されていない
- 技適: Wi-Fi 6、Bluetooth 5 LE、802.15.4の電波を出す。モジュールとしての技適は確認できていない。無線を使う機器に組み込んで日本で使うなら、技適の取得が要る。試作として有線だけで使う場合はこの点は関係しない
- 日本語: ハードウェアの開発向けで、日本語対応は問題になる場面が少ない。資料は英語
行動の目安:ESP32-P4を試したいだけなら、国内の販売店で開発キットが手に入る。CM4/CM5の入出力ボードを持っていて、そのまま差し替えたい人は、Crowd Supplyの募集開始を待ち、価格と配送先を確認してからでよい。日本向けの情報が出たら追記する。
今すぐ買えるオススメガジェット広告
M5Stack Tab5 IoT開発キット(ESP32-P4)同じESP32-P4を、5インチのタッチ画面・カメラ・バッテリースロット付きで国内の販売店から買える。ESP-IDFでの試作を今日から始められる。
よくある質問
QSCINTIX P4でLinuxは動きますか
動きません。LinuxGizmosによると、ベアメタルまたはRTOSのファームウェアで動かすモジュールで、開発はESP-IDF、Arduino、PlatformIOで行います。
QRaspberry PiのどのボードにでもCM4用の差し込み口で使えますか
形とコネクタは合いますが、使える周辺機能はキャリアボード側の配線に依存します。RELOCが互換を記載しているのは、公式のCM4/CM5 IOボードと、一部のサードパーティ製ボードです。
Q価格はいくらですか
掲載時点で、クラウドファンディングの価格や出荷日は発表されていません。RELOCの製品ページには「価格は問い合わせ」とあります。
Q日本で使えますか
掲載時点で日本の販売元は確認できていません。無線を使う用途では技適が必要になります。
参照した一次ソース
- SCINTIX P4(RELOC 公式製品ページ)RELOC(公式)
- RISC-V compute module brings ESP32-P4 to Raspberry Pi CM4/CM5 carriersLinuxGizmos
- SCINTIX P4 ESP32-P4 Compute Module works with (some) Raspberry Pi CM4/CM5 carrier boardsCNX Software
本記事は上記の海外報道をもとに編集部が構成したものです。日本国内の発売・価格は各社の公式発表をご確認ください。